ひまの結婚
ひまが結婚したいらしい。
大学の時からの彼ひろしは、素直なスポーツマン、一緒に社会人になり、一緒に成長してきた。
ひろしが挨拶に来た。私も夫ももちろん反対する訳もなく、ただの形式。夫のための儀式だと思っていた。
ひまと結婚します! 結婚させてください!そんな言葉を発しにくるんだろう…
それがだ!ひろしの挨拶はとても長かった!
ひまのことをとてもリスペクトしていること。自分が成長できたこと。自分の弱いところ。ひまの弱いところ。ふたりならなんでも乗り超えられる!事例を交え、全てを、見事に語った。
よくぞ、やりきった!ブラボー👏 ひろしありがとう!
お互い助け合い、ずっと幸せでいられる!そんな自信を感じた。
そして、ひまの苗字が変わる日が来るのだ。
ひまは現代っ子。世の中、女性が苗字を変えることが普通。それが常識と考えられている事がどうしても納得できない。
何が嫌なのか?
それはこれまでの4人家族。野原チームからひとり抜けるのが嫌だと言う。
この先、世の常識通りなら、しんのすけは野原のまま。なんで自分だけ…と思うのだと…
ふたり兄妹、4人家族。チームなんだ!!私はその言葉に驚きながらも、すごく嬉しかった。作り上げてきたチームなんだ!
私はひとりっ子で、家族をチームと思った事など一度もない。両親がペアで、私はそこにひとり居候している感じ。いつも親の意見が同じで、諭され、黙って従うような関係だった。多数決で負けるから、従うしかない…。苗字が変わる時、正直、何の寂しさも感じなかった。私の中で苗字が変わることは普通のことだったのだろう。
ひまには理解出来ない"普通”のこと。
同期入社の彼等。ひまは給料も相当もらっている。今は彼より多いだろう。
彼女は気持ち重視で、そんな事はまるで言っていないが、私の結婚とは、条件的にもまるで違う。
いつでもひまの味方の私としては、ひまの気持ちも大切にして欲しい!と思った。
彼女は苗字を変えることに決めた。
それはひろしのママの強硬な考えが理由らしい。常識というものだ。
長男ひろし、ひろしだって苗字は変えたく無い。ふたりは話し合い、決めた。
ひまのひろしへの思いやりだと思う。ここは譲るのがベターな選択だと思ったらしい。そう思えたなら良かったと私はホッとした。
でもひまは、自分の考えや思いを伝えずに、人生の一大事!苗字を変える!はできない。
これまでの人生、納得できるまで、自分の考えをぶつけてきた。私ともそうやってきた。先生とも、彼とも、ずっとそうやってきたのだ。そうやって生きてきたのだ。
「苗字は変える!でも、ひろしママへこの気持ちを伝えたい。ママの気持ちもきちんと聞きたい!」と言っている。
ママの気持ちをひろしからの又聞きで済ませ、静かに入籍に至るタイプではないのだ。
自分の気持ちに蓋をせず、今まで通り、やってごらん!それで良いと思うよ!と私は思う。蓋をする選択肢は無いだろうと思っている。蓋をすべきでは無いと思っている!
それでも、驚くこと、納得できないこと、色々起きるのだろう…
起きて当然だ!
家庭の文化はそれぞれだから。
思いも経験もそれぞれ違う。
私の育った家庭、私にとっては居心地が悪かった。その経験を基に、私は自分の家庭を作った。そして、全く違う文化の家庭が出来上がっていった。
あの居心地の悪さも、とても役に立ったのだ。
両親に感謝しないと…
だって、娘にとって居心地の良いチームができたんだから!
ひまの家庭、ひろしの家庭、文化が違う。
ひろしの家庭の文化に納得出来なくても大丈夫だよ!
君たちなら、新たな違う文化の素晴らしい家庭が作れるよ!
頑張れ!!陰ながら、応援してます。
そしてずっとひまの味方です!!